あらすじ
ある朝、閑静な住宅街の公園に、深さ不明の縦穴が口を開けた。ダンジョンである。
住民は「早く埋めろ」と激怒。本庁は「予算がつくまで放置」と回答。板挟みになるのは、いつだって現場だ。
黒田マモル、31歳。出世コースを外れ「ダンジョン対策課」に飛ばされた窓口のプロ。戦闘力はゼロ。だが彼には一芸があった——どんな無理難題も、条例の抜け穴と根回しで通す「申請の魔術師」。
黒田はダンジョンを「不法投棄物」とみなす条例の抜け穴で緊急予算を引き出す。だが査定のため一階層だけ潜ったその底に、近隣で行方不明になった子どもの上履きが落ちていた——。
縦割り、前例主義、苦情、財源不足。ボスより手強い「お役所」を相手に、武力で解決できない問題を、書類と人間関係で片付ける。地に足のついた現代ダンジョン行政ヒューマンコメディ。
転入届、出します。ダンジョン、湧きました。