あらすじ

王太子妃になるため――そう信じて、十年間。 侯爵令嬢アレシアは王宮で妃教育を受けながら、祭典運営、外交文書、王妃宮の実務、王太子府の会計まで、誰にも知られず働き続けてきた。 ところがある夜会で、王太子エドガーは子爵令嬢を隣に立たせ、皆の前で婚約破棄を宣言する。 「君は冷たく、理想の王太子妃ではなかった」 アレシアは静かに一礼し、三通の書類を差し出した。 婚約解消受領書。 王太子妃準備役退任届。 そして――退職金と未払い報酬の請求書。 婚約者を捨てたつもりの王太子は、自分が王宮の実務を支える人材まで手放したことを知らなかった。 翌朝から白パンが消え、舞踏会は開けず、王妃宮の文書庫も止まり、王太子府は少しずつ機能を失っていく。 一方、王家最大の債権者である辺境伯だけは、アレシアの働きに正当な価値を見出していた。 「君ではなく、君の仕事に報酬を払いたい」 これは、理想の王太子妃として働き続けた令嬢が、初めて自分の人生を取り戻す物語。 そして、自分の価値を最後まで理解できなかった王太子が、少しずつ失っていく物語でもある。

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小説を読もう2026/06/28
  • 現在の作品理想の王太子妃として十年働いたので、退職金を請求いたします