あらすじ
「よし……! やった、やったぞ。私はついにやったんだ。なあ、みんな! やったなあ!」
――え、ええ……。
――ついにやったなあ……!
――よし!
――おおーっ!
とある研究所。主任は勢いよく振り返ると、拳を固く握り締め、天井へ向かって高々と突き上げた。慣れていないせいか、その動きはどこかぎこちなく、不格好にさえ見えた。それでも、その場にいた研究員たちには気にする様子はなく、誰もが満面の笑みを浮かべていた。
互いに肩を叩き合って、握手を交わし、激しく拍手して互いを称え合う。中には目頭を押さえている者もいた。
それも当然だった。長い年月の積み重ねが今この瞬間に結実したのだ。室内は歓声と拍手に満たされ、興奮と達成感に熱せられた空気が渦を巻いていた。