あらすじ
私は幼馴染の日記を開いた。
中学3年生の冬に自殺した幼馴染の日記を。
人々が、受験のために奮起していたあの時期に。
完璧で、いつも笑っていて、優しいあいつが。
なんで自殺なんかしたのだろうか。
そこに書けれていたのは、私が聞いたことがない出来事ばかり。地獄のような日々。
私のなかでつもる後悔に後悔。なんで私は気づいてあげられなかったのだろうか。
そして、長い長い日記の最後のページにはこう書かれていた。震えた小さな字で。
『それでもたまにはちょっと思い出してね』
健人が残した「方程式」は、きっと解けない。
なぜなら、そこには数字なんてひとつもなくて、あるのは痛みと絶望、そして偽りの笑顔の記録だけだから。
こんなんじゃ、方程式とは言えない。
けれど、日記の文字をたどればたどるほど、そのすべてがひとつの結末へ収束していく。
文字ばかりなのに、彼の人生は、必ず「死」というイコールに辿り着いてしまうのだ。
綺麗なぐらいに。