あらすじ
生まれつき奇妙な魔力を持ち、「呪われた出来損ない」としてすべてを失った孤独な少年・トト。
激しい冬の雨が降る路地裏で、寒さと飢えに震えながら世界の終わりを待っていた彼の前に現れたのは、濡れた夜空のようなマントを羽織った、美しくもぶっきらぼうなエルフの魔術師・ルシエラだった。
一切れの干し肉と、
「あなたの魔力は呪いなんかじゃない。
ただの、とんでもない大バカで不器用な異能よ」
という一言。
それが、トトにとっての救いであり、二人の果てしない旅のすべての原点だった。
賑やかで温かい魔術工房での修業日々の中で、
トトは「エルフと人間の時間の違い」という残酷な現実と、
師匠が抱える深い寂しさに気づいていく。
――僕が死んでも、あの人を絶対に一人ぼっちにはさせない。
後にルシエラを救い続けることになる
『世界一ポンコツで優しい魔導具』が作られるきっかけを描いた、
少年視点による感動の出会い編。