あらすじ
ふりかえってみれば私の人生にはどこにも分岐点なんかなかったよね、と思う。「どうしようもないよね」って誰かに許してもらうみたいに、きょうの夕食もファーストフードだった。夜になると、ときどき、さざ波みたいに不安が襲ってきて、だからインスタを手ぐせで開く。「週末このイベント行ってみよっかな」って思って、タップ、スワイプ、「充電が残り20%です」。スマホの存命のためなら急に動ける、トイレもお風呂も行けないのに。ああお腹すいたなあ、レトルトカレー開けちゃおうかなあ、どこか遠くに行きたいなあ。
きょうこそご自愛のために早く寝たい。そういう日に読む、つかれず気楽で、しずかな短編小説集。