あらすじ
2053年。
三十歳の陽花は、学生時代から付き合う恋人・拓巳と同棲して五年になる。彼を愛している。それでも結婚にも、子どもを持つことにも踏み出せない。
親戚から繰り返される「結婚はまだ?」という問い。幸せそうに子育てをする従姉妹。恋人とのすれ違い。誰にも言えない違和感を抱えながら過ごすある日、陽花は「子孫を残さない選択」を促す遺伝子《EVE》の存在を知る。
「自分は異常じゃなかった」
そう思えたのも束の間、社会はその遺伝子を「治療すべきもの」と見なし始める。
愛しているのに、同じ言葉が通じない。
遺伝子が人の意思に作用する時代に、「普通」とは何か、「家族」とは何かを問いかける近未来ヒューマンドラマ。