あらすじ
父が陥れられ、没落した令嬢ルビィとサフィの姉妹。今は魔法で壊れた物を直す「魔法装飾師」として、その日暮らしの生計を立てていた。
ある日、二人に仕事を依頼してきたのは、かつて父の恩を受けながら今や成り上がった成金貴族・ドラクス男爵。ドラクス男爵は銅貨を投げつけ「豚のように這って拾え」と姉妹を嘲る。煮えくり返る妹ルビィを、氷のように冷静な姉サフィが制し、二人は「荒らされた部屋を朝までに直せ」という依頼を引き受ける。
ところが現場に足を踏み入れたサフィは、惨状の中にひそむ小さな違和感を見逃さなかった。砕けた彫刻、こじ開けられた金庫、壁に刻まれた無数の傷??それらが語る真相は、男爵が口にした筋書きとは決定的に食い違っていた。
調べを進めるほど、屋敷には不穏な気配が立ちこめていく。怯える男爵令嬢、地下牢に囚われた騎士、そして姉妹の前に差し出された一冊の古い日記。やがて二人は、この依頼が単なる修理仕事ではないことを悟る。
淑女の仮面をかぶった姉の鋭い推理と、黙っていられない妹の鉄拳。落ちぶれてなお誇りを失わない姉妹が、屋敷に隠された「壊れた真実」へと踏み込んでいく。ファンタジー、開幕。