あらすじ
【律紀】
律紀(りつき)は両親と中学生の妹の灯里(あかり)に長年無視されながら生活をしている。律紀は高校を卒業したあと、大学へ行くことも働くこともせず、ただ何となく日々を過ごしている。朝になると近所をぶらぶらと歩き、中学生のときに祖父からもらった一眼レフで目に映る景色を撮るという生活をしている。
ある日、何気なく撮った写真の中に1人の少女が映り込む。冴えない雰囲気の少女だったが律紀には美しく見え、彼女のことをもっと知りたいと思うようになる。
【さなぎ】
高校1年生のさなぎは幼い頃母親から虐待を受けたために、叔父夫婦の養子となって一緒に暮らしている。さなぎは母親との思い出であるやかんを常に持ち歩き、大事にしている。叔父夫婦はそんなさなぎを変な子だと思い、疎ましく思っている。
夏休みになり、さなぎはやかんを持って人気の少ない近所の神社へ出かける。そこで不思議な雰囲気の青年と出会う。青年は「生きてる感じがしないから」紫陽花が好きだと言い、以来さなぎは心の中で彼を「紫陽花」と呼ぶようになる。