あらすじ
五歳の夏祭り。 迷子になった少年・陽太は、不思議な鳥居をくぐり、美しい狐の青年と出会う。
「大きくなったら、またここへおいで。」
別れ際に交わした約束。
あの日、一目惚れした陽太は、その場で「結婚してください」と告げた。
誰にも信じてもらえないまま十三年。
十八歳になった陽太は、再び夏祭りの日に鳥居をくぐる。
霧に包まれ、誰もいない神域。
それでも彼は叫ぶ。
「プロポーズの返事を聞きに来ました!」
その声に応えるように霧が晴れ、あの日と変わらぬ狐が姿を現す。
十三年間、変わらなかった想い。
花火が夜空を彩る頃、止まっていた時間が静かに動き始める――。