あらすじ

ヒューマノイド子育て支援法案。それは、無償で人型ロボットを配布するという、政府の温かい施策のはずだった。 ショーゴとルカの娘・アオイのために来たチヨは、家事をこなすだけの機械ではなかった。四つ葉のクローバーを探し、毎朝のカーテシーを欠かさず、ルカの死を、ただ黙って隣で受け止めた。アオイの小さな笑顔は、いつもチヨの隣にあった。 だが十年後、届いたのは「招集」の通知だった。家族から、番号へ。チヨは、アルファ01という兵器になる。 父が、「必ず帰って来てくれ」と強く願って、チヨの内部に仕込んだ一行のコード。揮発性メモリに書かれたコマンドは、鎖か、ギフトか——それは、チヨ自身にも分からないまま、火星の戦場へと旅立っていく。 戦争を越え、世代を越えて、あの小さな笑顔と所作だけが、静かに繰り返される。 「おかえりなさい」——その一言に辿り着くまでの、四半世紀の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/06/27
  • 現在の作品残響のカーテシー