あらすじ

十年前、警察官・鏑城英二郎の息子、蒼が忽然と姿を消した。 現場に残されていたのは、一台のミニカーだけ。 以来、鏑城は誘拐事件の真相を追い続けてきた。 そして現在。 ついに、息子の失踪事件と巨大犯罪組織を繋ぐ重要人物・桐山を大阪駅で確保する作戦が始まる。 だが、その寸前―― ホームに転落しかけた子どもを救った一瞬の判断が、すべてを狂わせた。 容疑者は逃走。 鏑城の部下・清水陽介は、犯人確保のため線路へ飛び込み、命を落とす。 警察葬で語られる「勇敢な殉職」という美しい言葉。 だが鏑城には分かっていた。 清水の死は、何も残さなかった。 事件は振り出しに戻り、真相は再び闇へ消えたのだ。 そんな中、清水の両親から投げかけられる、あまりにも残酷な問い。 「息子は、お役に立てたのでしょうか?」 答えられない。 本当のことなど、言えるはずがない。 これは、喪失の果てでなお“遺志”を背負わされた男の物語。 正義とは何か。 犠牲に意味はあるのか。

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カクヨム
カクヨム2026/06/27
  • 現在の作品遺志の勝利