あらすじ

人々の暮らしを支える人型アンドロイド――《ハルモニア》。 彼らの寿命は、わずか10年。 役目を終えた彼らを引き取る【回収屋】は、人々から「喪失を運ぶ存在」として忌み嫌われており、それが雨宮修二の仕事だった。 18年前に妻を、10年前には娘をハルモニアにまつわる事故で失った修二は、生きる意味を見失いながらも、今日も誰かの『さよなら』を運び続けていた。 ある日、橋の下で身元不明の少女が保護される。 少女は過去の記憶を失い、唯一「雨宮」という姓だけを口にした。 雨宮凪。 感情の意味すら知らない少女は、修二と共に回収屋として働き始める。 出会いと別れを繰り返すなかで、2人は「心がないはずの機械」と人間が紡ぐ絆、そして別れがもたらす生きる意味を知っていく。 「人とアンドロイドを分け隔てるものは心の有無でしょうか。 であるならば、永遠の別れを告げられて涙を流す彼らに心はないのでしょうか。心とは……なんなのでしょうか」 感情という概念すら理解できなかった凪は、数々の「さよなら」を目の当たりにし、心という重量もなく目に見えない存在の意味を考えていく。 答えが見えかけたとき、2人は失われた過去の真実と向き合うことになる。 そして2人にもまた、避けることのできない『さよなら』が訪れようとしていた。 これは、心を知らない少女と、生きる意味を見失った男が、誰かを前へ進ませるための『さよなら』を紡ぐ物語。

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小説を読もう2026/06/27
  • 現在の作品ハルモニア —最後のさよならは、0グラムの心を証明する—