あらすじ
2012年9月、神戸。たった一日のうちに、103人の子供が街から姿を消した。
手がかりはなく、SNSには憶測が溢れ、見えない恐怖だけが広がっていく。
やがて捜査線上に浮かんだのは――すべての現場の防犯カメラに、ただ一人だけ映り込んでいた少女の“影”だった。
17歳の少女、逢坂瑠那。彼女はなぜ、そこにいたのか。そして、その静かな佇まいの奥に秘められたものとは。
警察、そして国家の影が動きはじめたとき、ありふれた日常は、静かに軋みはじめる――。
理論物理学の現象として描かれる、静謐にして冷徹なSFサスペンス・ミステリー。
実在の街と、緻密な考証に支えられた“あり得たかもしれない事件”の記録。全12話・完結済み。
『ユークリッド』シリーズ 第一弾。
登場人物
逢坂瑠那(おうさか るな) ― 本作の主人公。神戸に暮らす17歳の物静かな女子高校生。世界をどこか遠くから眺めるような、不思議な空気をまとっている。
逢坂宗一(おうさか そういち) ― 瑠那の父。娘の幼い頃から、ある“予感”を抱えて生きてきた人物。
岩田(いわた) ― 失踪事件を追う、叩き上げの刑事。103人の子供たちの命を背負い、瑠那と対峙する。
倉田(くらた) ― 膨大な映像と向き合う、地道な解析の担い手。彼が見つけた一つの事実が、事件の構図を変える。
内藤(ないとう) ― 事件を、表の捜査とは別の場所から見つめている男。その目的は、まだ誰も知らない。
本田真美(ほんだまなみ) ― 瑠那の親友。彼女の素顔を知る、数少ない存在。