あらすじ
桐島湊斗には、理解できないクラスメイトがいる。
七瀬朱音。出席番号が隣なだけで、廊下ですれ違っても目が合わない。話しかけても三文字以内で会話が終わる。給食の時間だけ、なぜか一人で文庫本を読みながら笑っている。
そんな彼女が、ある日の昼休みに言った。
「ねえ、その事件、犯人知ってるよ」
湊斗のスマホには、叔父の刑事から転送された〈迷宮入り寸前の変死体事件〉のニュース記事。現場は無人の密室、遺書あり、動機なし、目撃者なし——警察が一ヶ月詰んだ案件だ。
七瀬はその記事を一分眺め、犯人の名前・動機・トリックを正確に言い当てた。給食のプリンを食べながら。
「証明する方法ある? あるよ。てか現場の写真、これに三つ矛盾がある」
これが始まりだった。「コミュ障すぎて友達ゼロ人」「でも観察眼だけは人外」の天才少女と、「なぜか彼女のロジックを唯一理解できる」普通の高校生が組む、最強最悪の日常謎解きバディ。
ただし——彼女が解く事件が、少しずつ、「日常」の範囲を超え始めている。