あらすじ

『僕』こと『ドゥセル・サイレントビナー』は、しがない錬金術師見習いだった。 聖王歴1927年10月末日、僕は死んだ。 単純な事故死だった。伝説の霊薬『エクリサ』の調合のさなか、爆発を起こしたのだ。 身の丈に合わぬ錬成のせいで、死んだ。それはまあ、実力不足の結果だから仕方ない。 だけど、誰も救えず、結果も出せずに死んだことだけが、心残りだった。 そんなふうに思ってしまったからだろうか。 『次』に目を覚ました時、僕の前には『死神』がいた。 「起きましたね。さあ、あなたのたましいの名を教えなさい」 命令を下したのは、『死神』――否、銀髪の美しい少女だった。 混乱しながらも僕が名前を口にすると、少女はにこりとすることもなくこう告げた。 「幸福の庭にようこそ。あなたは死の恐怖から自由になれました。 おめでとう、ドゥセル。あなたの主――死霊術師アンナ・ベルはあなたを歓迎しますよ」 死霊術師アンナ・ベルが手にした鏡の中には、のっぺりとした顔の木偶人形が映り込んでいた。 これが僕? まさか、僕は死んで、こんな姿で蘇らされたのか!? あまりの事実に衝撃を受けながらも、『僕』は選択の余地もなく、アンナ・ベルの下僕として働き始めるのだが――。 これはあまりにも理不尽で、それでも美しかった少女の記憶の物語。 「――アンナ・ベル。君は僕を二度殺した」

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カクヨム2022/04/20
  • 現在の作品死霊術師アンナ・ベルと幸福の庭