あらすじ
精神を喰らう脅威を追い、銀河を統べるユグドリア帝国の星間騎士カイ・ヴァルハイトは、辺境の惑星へと不時着した。
そこで出会ったのは、ただのエルフの娘セレスフィーネ。共に脅威掃討の旅を終えた末、彼は舟で眠りにつく。
目を覚ますまで、千年──。
目覚めた勇者を待っていたのは、エルフたちを統べる女王へと成長した、あの娘の姿だった。
世界はカイを「原初の勇者」と崇め、女王セレスフィーネはその「伴侶」と事実を改竄した。だが当のカイは、神を現象と切り捨て、奇跡を数値で測り、女王の艶めいた誘いすら受け流す、救いようのない現実主義者。
完璧な名君が、彼の前でだけ我を失う。千年積み上げた壮大な見栄が、たった一言の「真実」で崩れていく。
星に堕ちた男が、発展途上文明の世界で己の居場所を探す物語。そして、千年想い続けた女王の、報われそうで報われない奮闘の物語——。