あらすじ

昼過ぎ。男は目の前にそびえ立つビルを見上げ、小さくため息をついた。曇り空を映した窓ガラスは鈍く白んでおり、陰がかかっているせいなのか建物全体が暗く沈んで見えた。その無機質な外観はどこか病院を思わせ、男は足を踏み入れる前から妙な居心地の悪さを覚えた。 だからだろうか。男は無意識に一歩後ずさりした。――が、その直後、隣にいた彼女がするりと腕を絡めてきた。男は反射的に背筋を伸ばし、ちらりと視線を向けた。 「ふふっ、行こっ」 彼女は男の顔を覗き込むように微笑んだ。その笑顔は無邪気そのものだったが、男は逃げ道を塞がれたような気分になった。「ああ……」と小さく返事をして、男は半ば引っ張られるような格好で自動ドアをくぐった。 『夢診断……?』 『そう! ぜひ受けてほしいの!』 数週間前のこと。自宅マンションで夕食を終えたあと、彼女は突然そんな話を切り出した。

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小説を読もう2026/06/27
  • 現在の作品夢診断 :約7500文字 :SF