あらすじ

旧東京が死都と化し、神奈川全域が魔導科学都市《帝都エデン》へ再編された時代。 女帝ヌルの支配するこの街には、魔導炉、機械人形、裏社会、封印呪物、企業犯罪、そして女帝信仰の影が渦巻いている。 カリンは、帝都で活動する一流のトラブルシューター。 表向きはツインタワー周辺で働く清掃員。 のほほんとしていて、愛嬌があり、窓辺に立つだけで人目を集める美貌の持ち主。 だが裏社会での通り名は――《氷の花》。 巨大な大鎌、薔薇の香、冷徹な尋問術を武器に、凶悪犯罪者、妖物、違法機械人形、企業犯罪、盗難呪物を処理する、帝都の闇に咲く黒い花である。 ある夜、帝都美術館の地下封印庫から、一枚の危険絵画が盗まれる。 題名は『反逆者』。 白い布をまとった中性的な天使が描かれたその絵は、ただの美術品ではなかった。 見る者の名前を奪い、記録を壊し、やがて絵の中の堕天使そのものが現実へ出ようとする、女帝政府管理の封印記録物だった。 マフィアから依頼を受けたカリンは、『反逆者』の行方を追う。 だが事件の裏には、機械人形産業を牛耳るマモンカンパニーの人工魂実験があった。 キリングドール。 大下水道のリヴァイアサン。 名前を失う市民たち。 暴走する堕天使の記録。 そして、自分を「反逆者」としてしか思い出せない、絵の中の天使。 カリンは問われる。 処理屋として、ただ斬るのか。 それとも、自分と同じく他者の定義に閉じ込められた存在として向き合うのか。 男か、女か。 清掃員か、殺し屋か。 シグレの弟分か、氷の花か。 他人が貼った名前ではなく、自分で選んだ名前で立つために。 これは、帝都の裏社会に咲く美しきトラブルシューターが、堕天使の肖像に刻まれた「反逆者」という名を斬る物語。

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小説を読もう2008/04/11
  • 現在の作品トラブルシューター夏凛