あらすじ
後輩をストーカーから庇って刺された桐島七海(享年29歳・大阪出身)、気づいたら異世界で赤ちゃんになっていた。
神様の説明もなし。チートの自覚もなし。ただなんとなく、言葉がよくわかる。
――それだけで、わりとなんとかなっている。
リシェル村で農家の娘「ナナ」として育ち、村の子供たちには「ナナミン」と呼ばれ、気づいたら白い子犬(やたら大きくなった)まで拾ってしまった。
十五歳の春、縁談の席で相手の本性を見抜いた。言葉と目が一致していなかった。それだけでわかってしまった。
逃げよう。死んだことにして、逃げよう。
前世でも一度やったな。あの時は本当に死んだけど。
交易都市ヴァルカに転がり込んだナナミン、手持ちは銅貨十四枚と小銀貨二枚、それからポケットの薬草の実。目標は薬師組合への加入。
「ナナミン的には、悪くない手札かもしれんな」
――ちなみに「言葉がわかる」のは、本人が思っているよりだいぶいろいろな意味があった。