あらすじ
つつましい男爵家の令嬢アリアは、幼馴染であり今は若くして公爵位を継いだ美貌の青年セリウスに長年想いを寄せていた。
しかし、広がる身分差と生家の没落、さらに彼と王女との婚約の噂を耳にし、アリアは彼のためを思って静かに王都から姿を消すことを決意する。
粗末な荷馬車に揺られ、遠く離れた辺境の地へ逃げ出そうとしたその夜。
王都の全ての門が封鎖され、漆黒の軍馬を駆るセリウスが彼女の前に現れた。
髪を乱し、狂おしいほどの焦燥を瞳に宿した彼は、アリアを抱きすくめて怒鳴るように告げる。
「王女など関係ない。私が妻に迎えるのは、君だけだ」
それは、彼女を守るために彼が長年張り付け続けていた氷の仮面が崩壊した瞬間だった。
身分差という壁を自らの圧倒的な権力で粉砕し、没落令嬢をどこまでも甘やかし、閉じ込めようとする公爵閣下の、重すぎるほどの執着溺愛ファンタジー、ここに開幕。