あらすじ
Y3年11月10日、母が倒れた。
高血圧を放置し、リハビリを拒否し、わがまま放題に生きてきた母。癌が全身に転移し、やがてせん妄で家中に排泄物を撒き散らすようになっても、私は在宅で働きながら母と祖母の世話をしなければならない。
時間もない。金もない。逃げ場もない。
毎日数時間の睡眠で、終わらない排泄処理と介護を続ける私の心には、いつしか真っ黒な感情が沈殿していく。
「二人とも早く死んでくれないか。それとも私が死ぬか」
ニュースで介護殺人の事件を見るたび、羨ましくてたまらなくなる。だって、刑務所に入れば、誰の介護もせず、毎日温かいご飯が食べられるのだから——。
これは、圧倒的な絶望の中で理性をすり減らし、生と死の境界線を見失っていく女の、極めてリアルな日記。