あらすじ

雨上がりの街で、ライラ・フランネは一枚の紙片を拾う。 そこには、見覚えのある筆跡でこう書かれていた。 ――備忘録 第七頁。 彼女はまだ、自分が何を忘れたのかを思い出していない。 ライラは、忘れられたものが淡い光として見える少女。 持ち主を忘れた鍵、呼ばれなくなった名前、誰にも読まれなくなった記録。 彼女はいつも、誰かが置き去りにしたものを見つけてしまう。 紙片の謎を追ってたどり着いたのは、石細工と水路の街アルカード。 西区画に関する記録は残っている。 税も、水利費も、住民票も。 けれど、人々はそこへ続く道を思い出せない。 旧記録院の奥で、ライラは知る。 かつてこの街には、もう一人の「ライラ・フランネ」がいたことを。 忘れられた名前を戻すことは、救いなのか。 それとも、今を生きる誰かのものまで奪ってしまうのか。 すべてを取り戻すことはできない。 それでも、消えかけたものを、なかったことにはしない。 忘れられたものが見える少女と、地図から消えた西区画をめぐる幻想ミステリ。

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カクヨム
カクヨム2026/06/26
  • 現在の作品ライラ・フランネの備忘録 ―忘れられたものが見える少女と、地図から消えた西区画―