あらすじ

ホテルの送迎ドライバーとして働く羽戸了一、二十五歳。 かつては研究者を目指していたが、夢を諦め、今はフリーターとして曖昧な日々を送っている。 ある朝、結婚式場への送迎を担当することになった羽戸は、乗車してきた花嫁の姿に息を呑む。 それは高校時代の同級生・安済涼鈴だった。 突然の再会に動揺する羽戸。しかし涼鈴は、彼が正体を隠していることに気づかないまま、後部座席で思い出話を語り始める。 「あの頃、世界史がすごく得意な男の子がいてね——」 語られるのは、羽戸自身も忘れかけていた過去。 そして、ずっと完成しなかったルービックキューブ。 チャペルまでのわずかな時間。 交わらなかった二人の人生が、静かにもう一度だけ交差する。 これは、未完成のまま止まっていた心が、少しだけ前を向く物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/26
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