あらすじ
9歳の夏、不慮の事故で家族のすべてを失った
青年・如月零(きさらぎ れい)。
親戚中をたらい回しにされ、「厄介者」と罵られる孤独な日々の中、
彼は社会の片隅で泥のように働き、心身ともに限界を迎えていた。
カラスの鳴き声が響く夜道、ついに力尽き、
彼の人生はひっそりと幕を閉じた――はずだった。
次に目覚めた時、そこは二つの月が浮かぶ異世界。
そして鏡に映っていたのは、かつてのみすぼらしい自分の姿ではなく、
美しく輝く白髪と水色の瞳を持つ青年、キサラギ・レイの姿だった。
過去も、孤独も、誰も知らない世界での再出発。
戸惑うレイに宿ったのは、
【目の前で命を落とした者の能力を、その遺志ごと受け継ぐ】という、
あまりにも過酷で、あまりにも強大な異能だった。
出会いと別れ、そして「死」が交錯する世界で、
かつて誰にも必要とされなかった少年は、散りゆく者たちの力を背負い、
新たな運命を切り拓いていく――。