あらすじ
高校二年生の田中悠満は、家に帰るのが嫌いだった。
酒に溺れ暴言を吐く父。
見て見ぬふりを続ける母。
生活費を奪われ、進学を否定され、人格を否定される日々。
それでも悠真は耐えていた。
自分が我慢すればいいと思っていた。
だがある夜。
隣家からの通報を受けて駆け付けた女性警察官が、その考えを否定する。
「君は悪くない」
そう言い切ったのは、生活安全課の警察官・水野光咲だった。
そして彼女の夫であり、児童虐待やDV案件を専門とする弁護士・水野裕太は静かに告げる。
「証拠はあるか?」
「あります」
「なら大丈夫だ。君は一人じゃない」
録音データ。
写真。
診断書。
学校の記録。
消された生活費の履歴。
積み上げられた証拠は、少しずつ真実を明らかにしていく。
親だから許されるわけじゃない。
家族だから我慢しなくていい。
助けを求めることは逃げじゃない。
これは毒親に人生を壊されかけた少年が、警察官の義姉と弁護士の義兄に守られながら、本当の家族と居場所を見つける物語。
泣くための物語ではない。
幸せになるための物語だ。