あらすじ
魔術による産業革命が推し進められた世界。
かつて魔王を討った勇者たちの時代から200年。世界は魔導技術の名のもとに塗り替えられた。誰もが術式を買い、肉体を強化義体に換装し、頭の中の端末で魔法を操る。
だが、その恩恵に与れるのは、金を持つ者だけだ。巨大ギルドが国を丸ごと呑み込み、きらびやかなネオンの裏で、舗装もされないダウンタウンに食い詰め者があふれる。魔法とテクノロジーが融合した、きらびやかで薄汚いマギカパンクの街、イージスシティ。
ウォルトは、そんな街の片隅で何でも屋を営む、しがない請負人《エクスプローラー》だった。口は悪いが腕は立つ。財宝を漁り、その日の糧を稼ぎながら、男はひそかに大それた夢を抱いていた。いつか成り上がり、200年経っても語り継がれる、あの勇者のような伝説《レジェンド》になること。
ある日、ウォルトのもとに、一人の少女が奇妙な依頼を持ち込む。失われた歴史に取り憑かれた、風変わりな天才少女サクラ。彼女との出会いが、ありふれた稼業の日々を、少しずつ動かし始める。
魔法と機械、栄光と退廃。すべてが入り混じる街で、男の物語が幕を開ける。