あらすじ
「道なんてのはな、歩いた後ろにできるもんだ!」
「いや、お前さっきから同じ岩の周りを三周してるぞ。完全に迷子だろ」
魔王が倒され、平和になった世界。
かつて勇者たちを送り出した『はじめの村』の若者たちは、深刻な過疎化と借金問題に頭を抱えていた。
そこで村の道具屋の息子・リョウが立ち上げたのが、
冒険者より先に目的地へ到着し、現地の案内や物資調達を行う
**【先回り案内ビジネス『はじめのキャラバン隊』】**である!
一見、画期的なビジネス。だが、集まったメンバーが最悪だった。
ガイ(武器屋の見習い): 重度の武器オタク。無駄に武器を担ぎすぎて狭い通路やダンジョン入り口で物理的にロックされ、素振りの風圧で店を半壊させる破壊神。
ミナ(宿屋の娘): 「旅先でも最高のお布団で寝たい」という強いこだわりから、木製のシングルベッドを丸ごと背負って旅に出た怪力美女。歩くたびにベッドの角で街の露店を破壊する。
リョウ(道具屋の息子): 唯一の常識人。……のはずが、希少な薬草を見つけると目がキマる職業病持ち。独自の調合を試しすぎて、旅先でスライム巻き込み型の大爆発を連発する。
一般人100%。旅の経験ゼロ。
大荷物とそれぞれの“癖”のせいで、歩くたびに物損事故と大赤字を叩き出す、お騒がせトリオ。
そんな自滅寸前のキャラバン隊の先頭を、
一人だけ何の荷物も持たず、のんきに歩く男がいた。
それが主人公・トモル。
彼は伝説の血筋でもなければ、チートスキルも持たない、ただの『はじめの村の門番』。
ただ、毎日ボーッと景色を眺めていたせいで**「ちょっと方向感覚が良くて、ちょっと五感が鋭いだけ」**の男。
大荷物の3人がトラップを踏み抜き、薬草で自爆し、迷子になる中、
トモルだけは「あっちからパンの匂いがするから」「煙突の煙の色が変だから」という、ただの一般人の観察眼だけで、涼しい顔をしてプロの冒険者を追い抜き、国家規模の商業ギルドの悩みをあっさり解決していく……!
「あの……手ぶらでよければ、この街の美味しい定食屋さん、今から案内しますけど?」
カビたベッドと溶けた鉄クズを担ぎ、今日も元気に大赤字!
チートなし、スキルなし、でも笑いは規格外!
一般人100%の最強お騒がせチームが贈る、痛快ドタバタ出張ファンタジーコメディ、ここに開幕!