あらすじ
両親を事故で亡くした子爵令嬢セムラナ=ムーンは、婚約者からあっさり婚約破棄されてしまう。
「親も金も後ろ盾もないお前に価値はない」
さらに家督を継いだ兄ギルバートは、借金を抱えた家を立て直すため、セムラナを政略結婚の駒として利用する。
嫁ぎ先は、ヤケイ王国有数の大貴族であるカルダナ侯爵家。
だが侯爵は二十八歳の男やもめで、六歳の息子レオンと四歳の娘ミリアを育てる父親だった。
しかも仕事に追われる侯爵はほとんど家におらず、子供たちは突然現れた継母を激しく拒絶する。
それでもセムラナは諦めなかった。
なぜなら彼女には前世の記憶があるからだ。
理不尽な会社で働き続け、最後は過労で命を落とした前世。
あの頃に比べれば、この程度の困難は乗り越えられる。
嫌われても怒らない。
拒絶されても押し付けない。
ただ子供たちに寄り添い続ける。
やがて寂しさを抱えていた兄妹は少しずつ心を開き、家族の絆が芽生え始める。
一方、自分を捨てた元婚約者と、自分を売った兄は、幸せになっていくセムラナの姿を見て後悔することになり――。
これは、婚約破棄された令嬢が子連れ侯爵家の後妻となり、二人の子供たちと本当の家族になっていく心温まる家族再生物語。