あらすじ

前の人生では、過労で死んだ。 この人生では、無能と呼ばれた。 二度目の人生も、誰かの期待に応えるだけで終わるのか。 魔力が弱いという理由で、婚約を破棄された公爵令嬢。 彼女が屋敷から持ち出したのは、十五年分の杖の設計図だけだった。 辺境の小さな工房で、彼女は杖を削り始める。 その杖は、他のどんな杖とも違っていた。 魔力の量ではなく、内部の設計で魔法の精度を変える。 誰も知らないその理論で作られた杖を、たった一人の騎士が探していた。 三年前に手放した試作品が、ある男の命を救っていた。 無口で不器用なその騎士は、作り手を探すためだけに辺境まで来る。 けれど彼女の杖が注目されるほど、王国の杖を支配する男の影が近づく。 素材を止められ、資格を問われ、過去を晒される。 彼女にあるのは、前の人生で磨いた設計の目と、この手だけ。 その手が削る杖を信じる人は、どこかにいるのだろうか。

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小説を読もう2026/06/26
  • 現在の作品婚約破棄された杖職人令嬢、実は唯一の天才だった件