あらすじ
【あらすじ】
「器は見つかった。記憶は、ここで完全に継承される」
古書店『三日月堂』でアルバイトをする詩織は、ある夜、店主が隠していた一冊のノート『月の記憶』に出会う。それは、大正時代の男が、最愛の女性を想い、百年の時を超えて魂を封じ込めた呪いの書だった。
満月の夜、詩織の右手が詩織の意思とは無関係に動き出す。それは、遥という男の記憶と、詩織の生身の身体が溶け合っていく、神聖で悲しい儀式の始まりだった。
これは、百年間、誰にも読まれることなく待ち続けた魂が、現代の少女を器として選び、夜の向こう側へと旅立つまでの、継承の記録。