あらすじ
王都聖灯局で働く灯火師ルカは、外れスキル【小さな灯】しか使えない役立たずとして、長年雑用扱いされていた。
ある夜、王都の大聖灯に魔物が侵入する事件が起きる。
本当は上層部の管理ミスだったにもかかわらず、責任を押しつけられたルカは、冤罪のまま辺境へ追放されてしまう。
流れ着いたのは、夜になると魔物と呪いが出る貧しい村ノクスヴェイル。
子どもは悪夢に泣き、老人は夜道を歩けず、宿も市場も日が沈めば閉ざされる。
けれどルカが小さな灯りをともした瞬間、魔物は近寄れなくなり、呪いに苦しむ少女は初めて静かに眠った。
「これ……ただの灯りじゃないの?」
外れだと思われていた【小さな灯】の正体は、夜の悪意を払い、人々の暮らしを守る神の守護灯だった。
灯りが増えるたび、村に宿ができ、夜市が生まれ、畑が守られ、傷ついた人々とモフモフたちが集まってくる。
一方、ルカを追放した王都では、彼が密かに守っていた灯火網が崩れ始めていた。
今さら戻れと言われても、もう遅い。
この辺境には、ルカの灯りを待つ家族がいる。
これは、追放された灯火師が、辺境の夜を照らしながら、世界で一番あたたかい居場所を作っていく物語。
本作は小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。