あらすじ

引っ越しの日、段ボールの底から白い封筒が出てきた。 高校の卒業式の日に、渡せなかった手紙。 封はされていない。名前もない。 中には、青いインクで書かれた便箋が三枚。 十年前、彼の第二ボタンはもう誰かの手に渡っていた。 それから、呼ばなくなった。近づかなくなった。連絡もしなくなった。 同窓会の通知が届いた日、私は新しい封筒を買う。 手紙は読まない。 名前も書かない。 ただ、古い封筒から新しい封筒へ移す。 もうないものばかりの部屋に、古い封筒だけを残して。

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エブリスタ2026/06/25
  • 現在の作品卒業式の日渡せなかった手紙を十年後も読めなかった