あらすじ
小学生の頃、俺は転校していく少女・水瀬さんから、一本の赤いマスキングテープをもらった。
言えなかった「ありがとう」「またね」「好きです」。
その後悔を抱えたまま大人になった俺は、三十五歳になっても赤いマスキングテープを集め続けていた。百本を超える赤。けれど、どれもあの日の赤とは違う。
ある日、壁一面のマステ棚をSNSに投稿すると、『minase』というIDから反応が届く。
夢が叶う。そう思った瞬間、俺は死んだ。
目を覚ました先は、燃え盛る異世界の町。手の中には、あの日の赤いマスキングテープ。
剣でも魔法でもない一本の赤い線が、世界の境界を切り分ける。