あらすじ
「今夜、あなたと共に過ごすことはできない」
初夜の寝室で、辺境伯レオンハルトにそう告げられた男爵令嬢リディア。
痩せ細った身体を見られ、妻として拒まれたのだと思った彼女は、涙をこらえ、夜着の上にドレスを重ねる。
妻の務めを果たせないなら、せめて領地の役に立たなければ。
そう思い込んだリディアは、執務室でひとり、資料を広げ始める。
けれどレオンハルトが拒んだのは、リディア自身ではなかった。
抱きしめたいほど大切だからこそ、弱った身体に自分の想いを背負わせたくなかったのだ。
これは、役に立たなければ居場所がないと思っていたリディアが、温かな粥とともに、自分自身を求められる夜の物語。