あらすじ
「太陽の国」と「月の国」。長年にわたり続いてきた両国のいがみ合いは、和解をもって終結した。同年、和解の証として、両国の王子と王女の|婚《・》|約《・》が取り決められる。
太陽の国の王子は、質実剛健。その誠実さや武勇もさることながら、いつも表情豊かで誰にでも分け隔てない明るい性格により人望に厚い。
月の国の姫は、優美繊細。才女としての評判を謙遜する奥ゆかしさを持ち、彼女の静かで洗練された所作は誰もが見惚れる麗しさ。
<太陽の如く明るい王子と、月の如く淑やかな姫>
正反対ともいうべき二人は、こうして国の安定を背負った結婚により出会うことになり、誰もが二人の相性を心配していた。
しかし実際に人々の前に姿を見せたのは、<控えめで物静かな王子と、明るく快闊な姫>であった。
これは、至って真剣な彼らによる、すれ違いの物語である。