あらすじ
大宝元年(701年/西暦701年)。
律令国家として歩み始めた日本には、まだ「お金」という概念が根付いていなかった。
人々は米や布で物を交換し、税を納め、慎ましく暮らしていた。
そんな時代、銅を溶かすことに天賦の才を持つ若き鋳物師・秋津は、朝廷の命を受けた官人との出会いをきっかけに、「国の貨幣」を造る壮大な計画へ巻き込まれていく。
やがて発見される秩父の銅鉱山。
元号は「和銅」と改められ、日本初の本格的な流通貨幣「和同開珎」が誕生する――。
しかし、その裏では権力争い、重税に苦しむ庶民、技術者たちの葛藤、そして「貨幣とは何か」という問いが渦巻いていた。
これは英雄でも武将でもない、名もなき技術者たちが国家の礎を築いた物語。
史実をもとに、飛鳥から奈良へ移り変わる日本、唐を中心とした世界情勢、庶民の暮らしや経済を織り交ぜながら描く、本格歴史エンターテインメント。
各話には「歴史ノート」を収録。
史実と創作を区別しながら、楽しみながら古代日本の歴史を学べる長編歴史小説。