あらすじ
レストラン「ヴォカブラリー」のシェフ・ミナミは、客が心に抱く「言葉」を具現化し、一皿の料理として提供する不思議な能力の持ち主。
しかし彼自身は、まるで感情が欠落しているかのように、常に無表情で論理的に物事を判断する男だった。
ある日、恋人との関係に悩む女性・有紀が店を訪れる。ミナミが提供した「自己肯定感」という料理に心を動かされた有紀は、店でアルバイトを始めることに。太陽のように明るい彼女の存在は、ミナミの閉ざされた世界に少しずつ変化をもたらしていく。
しかし、そんな平穏な日々の裏で、ミナミには決して消えない暗い過去があった。
やがて店の扉を開けたのは、かつてミナミの両親の命を奪った犯人・ケンジで――。
「言葉」を味わう奇妙なレストランで、孤独なシェフの過去と罪が交錯する。
心に染み渡る、美味しくて少しビターなサスペンス・ヒューマンドラマ。
【登場人物紹介】
◆ ミナミ(35)
レストラン「ヴォカブラリー」のシェフ。客の「言葉」を調理する超能力を持つが、本人は冷徹で無表情な男。
◆ 有紀(26)
「ヴォカブラリー」のアルバイト。明るく感情豊かで、ミナミの頑なな心を少しずつ溶かしていく。
◆ ケンジ(46)
ミナミの両親を殺害した過去を持つ男。彼が店を訪れた時、物語は一気に加速する。