あらすじ

産まれ付き左足の自由が利かない「勝之助」は、 恥晒しの厄介者として、海辺の町にある親戚の屋敷へ疎開させられる。 周囲の蔑みと奇異の目に晒され、孤独に心を擦り減らす日々。 そんな彼の唯一の慰めは、隣に建つ無人の美しい洋館、通称“人形屋敷”を眺めることだった。 ある日、勝之助はその屋敷の窓辺に、一人の美しい女性の姿を見る。 象牙のような白い肌、亜麻色の髪、蒼玉(サファイア)色の瞳。 名を「八重」という彼女だけは、勝之助の歪な足を決して蔑まなかった。 誰もいないはずの屋敷で暮らす、身元不明の美しい女性。 彼女との密やかな逢瀬だけが、勝之助の生きるすべてになっていく。 「御足、欲しゅう御座いますか――私、方法を知っておりますの」 彼女が囁く、甘やかな誘惑。 支払うべき犠牲と、引き換えに得られる健常な両足。 これは、世間に居場所のなかった男が、美しき彼女の「秘密」に出会う物語。 2009年に別所にて別名義で公開していたものです。 文章は多少の修正をしておりますが、本文にAIは使用しておりません。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/06/25
  • 現在の作品空中楼閣と人魚