あらすじ
「いつまは私にとって、世界で一番失いたくない人だよ。だから……恋人にはなれない」
真名依真(まな いつま)と藍庭鷗賀(あいにわ おうか)は、お互いのすべてを知り尽くした幼馴染。
依真は昔から鷗賀に恋心を抱いていたが、彼女にとって依真は「絶対に失いたくない安全圏(セーフティゾーン)」の存在だった。振られるならまだしも、「家族や兄妹みたいなものだから」と、向けた好意をすべてスルーされる毎日。
――このままじゃ、一生ただの幼馴染のままだ。
そう悟った依真は、ついに都合のいい「お兄ちゃん」を辞めることを決意する。
少しずつの距離感のズレ、不意に見せる男としての表情、そして二人だけの特別な距離。
当たり前だった日常が壊れるのを恐れて逃げ回る鷗賀の心を、依真の直球が少しずつ揺るがしていく。
「俺、もう君の『お兄ちゃん』のフリをするの、やめるよ」
これは、臆病な幼馴染の安全圏をぶち壊し、一歩を踏み出させるための、じれったくて少し甘い「心動大作戰」。