あらすじ
すべてが、炎に呑まれた夜だった。
巫女姫・澪(みお)が守りつづけてきた都は、地の底より解き放たれた禍(まが)つ神によって、一夜にして滅び去った。最愛の人――時雨(しぐれ)を、その腕の中で喪い。澪もまた、息絶える。
そのはずだった。
気づけば澪は、すべてが壊れる半年前へと、時を巻き戻されていた。胸に提げた、白銀の勾玉(まがたま)とともに。
(今度こそ、誰ひとり死なせはしない)
固く誓い、運命に抗おうとする澪。だが、その行く手を、ただひとり、執拗に阻みつづける者があった。
「今度こそ、おまえの好きにはさせない」
それは――かつて、誰より優しかったはずの、最愛の人だった。
なぜ、彼もまた記憶を持っているのか。なぜ、氷のように冷たく、彼女を拒むのか。彼は、裏切ったのか。
幾度も繰り返される半年の果てに、澪を待ち受ける、あまりにも切ない真実とは。
運命を変える力を得た巫女と、それを阻みつづける最愛の人が織りなす、和風やり直し物語。