あらすじ
とある王国の伯爵令嬢『コーディアナ・ルーナス』には幼馴染がいる。家柄も身分も格上の公爵令嬢『リナリア・エルヴェリア』だ。
高飛車で何かと素直になれない性格ながら面倒見の良いコーディアナは、公爵家の令嬢という注目される立場でありながら、のんびりマイペースで自分の世界を作っているリナリアをどこか危なっかしく感じて放っておけず、幼少の頃から爵位の違いを超えて何かと世話を焼いていた。
しかし、ある年にエルヴェリア公爵家が長く隠していた悪事が世間に露呈してしまい、調査の末、正式に領地の取り上げ・爵位剥奪・平民堕ちの処罰が下されることになった。
路頭に迷うことになったうえ多額の負債を抱え込んでいたエルヴェリア公爵は、借金を返すために自身の娘であるリナリアを売り飛ばしてしまう。
やんごとなき出自の儚くも麗しい令嬢としてオークションに掛けられたリナリアには、これでもかというほどに高額な金が積まれていく。
ここで買われてしまえば、女癖の悪い悪徳貴族に一生身を捧げることになるか、娼婦として日々代わる代わる不特定多数の相手に身体を委ねることになるか、はたまた……どんな運命を辿るにしても、将来的に壊れてしまうのは疑いようのないことだった。
「まったく、もう……何やってんのよっ……!!」
曲がりなりにも幼馴染がそんな運命を辿ることに我慢ならなかったコーディアナは、有象無象が提示したものよりも遥かな高値を叩きつけ、実質奴隷と言っても過言ではない平民堕ちしたリナリアを購入。
以後、自分の専属侍女として仕えさせることにしたのだが…………
「アナ、この服どうやって着るの?」
「アナ、髪が結えない……」
「アナ、今日の予定は……何だっけ?」
「使えないにもほどがあるんだけどっ!?」
流石は元至れり尽くせりの公爵令嬢。
身の回りのことをすべてやってもらって育ってきたため、主人となったコーディアナのお世話はおろか、自分のことすらままならない。
しかし、コーディアナは文句を言いながらも、そんなリナリアを放っておくことは出来ず、やはり今まで通り面倒を見てしまう。
こうなってはリナリアに出来ることはもう一つしかない。
「私の全部、アナのモノになっちゃったね?」
「ふふ、好きにして良いんだよ?」
「私の心も、身体も、何もかも……捧げるね……?」
「んもぉおおおうっ!! そんなことまで命令してないわよぉおおおっ!」
これは、素直になれない高飛車伯爵令嬢が、平民堕ちした元公爵令嬢の幼馴染に日々振り回されてしまう異世界百合ラブコメである――――