あらすじ
商社マンの景司は、人一倍の心配性だった。失敗を恐れ、未来を案じ、まだ起きてもいない出来事に心を奪われる毎日を送っていた。ある日、ふと立ち寄った山寺で、景司は「莫妄想(まくもうぞう)」と書かれた一枚の色紙を目にする。その意味を和尚から聞いた景司は、「まだ来ていない未来に振り回されるな。今やるべきことをやれ」という教えに深く心を打たれる。
以来、景司は少しずつ変わり始める。不安が消えたわけではない。しかし、不安を抱えながらも一歩を踏み出せるようになった。物流改革や地域活性化に挑み、多くの企業や人々を救いながら成長していく景司。その姿はやがて全国へ広がり、若者たちの挑戦を支援する活動へと発展していく。
やがて和尚は世を去るが、その教えは景司の中で生き続ける。そして景司は、自ら受け取った希望の灯を次の世代へ渡していく。人生の終わりを迎えるその日まで、「莫妄想」の言葉を胸に生き抜いた一人の男の姿を描く、温かく力強い物語。