あらすじ
過労死で転生したら、最強の魔王ヴェルザードになっていた。
戦争も支配も興味ない。
責任なんてもうたくさんだ。
だから俺は城を捨て、辺境の村で小さな食堂を開いた。
焼き立てのパンと温かいシチューを作りながら、のんびり昼寝をする。
そんな平和な生活を送るはずだったのに――
配下のサキュバス将軍は勝手に隣国と同盟を結び、
教会の聖女は毎日通ってきて、俺の料理を「神の奇跡」と崇め、
討伐に来た勇者はいつの間にか店員になり、
「嫁として来た」と言い張る古竜の少女は、食材調達ついでに魔獣を絶滅させていた。
俺が「今日は休みたい」と呟けば、
「休暇すら深い戦略とは……!」
と軍師たちは勝手に盛り上がり、
気づけば世界中の人々から、
『全種族をパンで繋ぐ慈愛の魔王』
などと呼ばれるようになっていた。
……いや、俺はただ、焼き立ての香りに包まれながら昼寝したいだけなんだが?