あらすじ
「今日この場をもって、君との婚約を破棄する」──公爵令息レオンハルトからの婚約破棄宣言。社交界の嘲笑を浴びる中、黄昏院琥珀は静かに微笑んだ。地味で陰気な婚約者? 病弱で役立たず? ええ、どうぞそう思っていてくださいませ。三年間、49回の浮気を見逃し、127回の讒言に耐え、12回も密かに財政を救済してきた私が、この瞬間をどれほど待ち望んでいたか──貴方たちには想像もつかないでしょう? 婚約破棄と共に発動するのは、公爵家との全ての契約解除。利権の七割、商業ギルドとの優先取引権、鉱山採掘権……全てが消え去った時、ようやく気づいても遅いのですわ。『黄昏の魔眼』を継ぐ者として、夕闘家の真の力を隠し続けてきた私。義妹セレスティーヌに全てを奪われたと思っていた? いいえ、奪われたのではなく、手放してさしあげたのです。そして今、太陽ではなく黄昏を愛すると誓う、ある方が私の前に現れて──。これは、最も美しい時間を司る令嬢が、真の居場所を見つけるまでの物語。