あらすじ

十五歳の貴族令嬢エリスは、望まぬ婚約話をきっかけに、自分の未来が自分抜きで決められていくことに耐えられなくなる。そんな彼女が耳にしたのは、未成年者や奉公人が許可なく聖地へ向かっても、巡礼である限り無理に連れ戻してはならないという古い慣例「抜け参り」だった。 その夜、エリスは白い旅装束と荷物を手に屋敷を抜け出す。追いかけてきたのは、同い年で顔見知りの商人見習い奉公人の少女リナ。抜け参りを教えた責任から止めるつもりだったリナは、エリスの本気の涙を見て、共に聖地リベルノ大聖泉を目指すことを決める。 靴擦れ、巡礼宿の手伝い、魔狼の襲撃、商人町、礼儀正しい追い手、悪意ある通行料取り、雨の礼拝堂、門前町、白岩峠。旅を重ねるごとに、エリスの白い足は泥に汚れ、リナの黒い足も雨に濡れ、二人は身分差を越えて互いの隣に立つようになる。 これは家出ではない。自分の願いを言葉にするための、少女二人だけの巡礼の旅。

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カクヨム
カクヨム2026/06/24
  • 現在の作品鈴鳴りの抜け参り〜貴族令嬢と商人見習い、聖地まで二人旅〜