あらすじ
「魔王討伐に向かった仲間は全滅した」
たった一人で帰還した勇者レオンハルトが持ち帰った、散りゆく仲間たちの遺品。
王宮筆頭鑑定士であり、一度見たものは何一つ忘れない『絶対記憶』のスキルを持つ主人公・エミールは、国宝として保存するためその遺品の鑑定を任される。
しかし、エミールの絶対記憶は残酷な真実を告げていた。
重さがわずか「0.05グラム」重い金貨。内部構造が空っぽの折れた聖剣。
それらは全て、記憶を読み取る魔物「ドッペルゲンガー」が勇者の記憶から作り出した精巧な【贋作】だったのだ。
勇者は魔界で殺され、魔族が勇者に成り代わって王城に潜入したのか?
――否。
遺品の中に隠された、たった一つの【本物】が、エミールに衝撃の事実を突きつける。
『今、玉座に座っているあの優しい国王陛下こそが、人類の敵である魔王の正体です』
勇者は人類を裏切ったのではない。
十年前に人間の王を殺して成り代わり、城の結界を盾にして安全圏に引きこもる狡猾な魔王を暗殺するため、自らの魂を魔に差し出し、決死の刺客を王都に送り込んだのだ。
勇者たちが命を賭して繋いだ、一振りの「魔王を殺す刃」。
戦闘力皆無の鑑定士は、彼らの想いを無駄にしないため、王国最強の騎士を巻き込み、己の「頭脳」と「絶対記憶」だけを武器に無敵の魔王へと反逆の狼煙を上げる!
散りばめられた小さな違和感が一つに繋がる時、隠された真実が世界をひっくり返す。大どんでん返しの頭脳戦ファンタジー!