あらすじ

東京・台東区の下町にある、三代受け継いできた古い戸建てが、妻にこっそり民泊サイトへ登録された翌日、火事になった。 俺は近所の家を一軒ずつ回って頭を下げ、修繕費の支払いまで済ませたところだった。するとスマホに、賃貸サイトから通知が届いた。 【鎌倉海沿いの一戸建て別荘、半年分の家賃三百万円が支払い済みです。すぐにご入居いただけます】 画面を見つめながら、俺は一瞬、三沢綾香が新しい環境を用意してくれたのかもしれないと思った。今回の騒ぎを埋め合わせるために、俺を驚かせようとしたのだと。だが次の瞬間、相馬蓮司のSNS投稿に、その別荘が写っているのを見つけた。 写真の中で、相馬蓮司は海を見下ろす窓辺に座り、茶を飲んでいた。窓の外には、曇った鎌倉の海が広がっている。 添えられた文章には、こう書かれていた。 「大難を逃れたあとは福が来る。昔の同級生に感謝。新しい家をありがとう」 そして窓ガラスの反射の中には、俺の妻、三沢綾香が立っていた。

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カクヨム
カクヨム2026/06/24
  • 現在の作品悪辣な妻に三千万円を持ち逃げされ、衆人の面前で床を舐めろと強要された件