あらすじ
義母・祥子が死んだ。
13歳のあの日から、父の遺産を狙う「財産目当ての侵入者」として激しく憎んできた、私の大嫌いな人。
四十九日を終え、彼女がどれだけ財産を使い込んでいたか暴くため、私は実家の金庫を開けた。
――だが、そこに遺されていたのは、あの日から【一円の手もつけられていない通帳】と、私への遺言書だった。
「お姉ちゃん、お母さんはね、お姉ちゃんを守りたかっただけなんだよ」
泣き崩れる私に、高校生の義妹・舞香が手渡したのは、一冊の古い日記帳。
そこには、16年前の雪の夜に交わされた「温かいスープの恩義」と、10年前に崩壊寸前だった我が家を救うために義母が泥をかぶった「命がけの契約」の真実が綴られていた。
自分が傷つかないために貼り付けていた、丁寧で冷酷な「鉄の仮面」。
それがいま、圧倒的な愛の手によって、粉々に砕け散っていく――。
凍りついた十年間が動き出す、不器用な姉妹の、優しくて温かい再生の物語。
(全5回・完結済)