あらすじ

「お前……泣くんじゃねえぞ?」 「泣くかよ、馬鹿。どうせ大したことないだろ……」 昼休み。おれは同僚の小渕と廊下に並んで、肩を小突き合っていた。壁にもたれかかる連中の顔には不安や気だるさ、それから妙な高揚が滲んでいる。腕を組んで目を閉じているやつもいれば、スマホを眺めてあくびをしているやつ。ちらちらと辺りへ視線を走らせ、貧乏ゆすりをしているやつもいた。 そのどこか浮ついた空気に、ふと小学校時代の健康診断を思い出して、おれは頬を緩めた。面倒だと思いつつも少しわくわくするあの感じだ。 今日、社内の一室で『生理痛体験会』なるものが開かれていた。 なんでも都知事の肝いりの施策らしい。女性の社会進出を推進する一環として、男性社員にも生理痛を体験させるという。女性が生理の際にどれほどの痛みに苦しんでいるかを男に理解してもらい、職場環境の改善や意識改革につなげることが目的だそうだ。

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小説を読もう2026/06/24
  • 現在の作品おれの生理痛 :約5500文字